引き札

先日、JAGDAメンバーの皆さんと
「引き札」を拝見に、国府に古くからある
森本商店さんへお邪魔しました。

「引き札」とは江戸時代から大正にかけて
作られていた広告チラシのこと。



初期は1色や2色刷りだったのが、商業活動が
盛んになった頃からは、こんな色鮮やかなものに
なっていったとか。
絵柄は、めでたいもの、真新しいもの、話題のもの。



木版なので、色鮮やかになればなるほど、職人さんは
さぞかし大変だったことでしょう。
でも、それが腕の見せどころでもあったのかも。


絵柄はサンプルの中から選び、文字だけお客様指定の言葉で
いうスタイルが多かったらしく、商店さんの業種と絵柄が
直接繋がっているとはいえないものもあったり。



とある搾乳場さんのチラシ上には、大きく書かれた「うしのちち」。
この大胆さ、どこか可笑しい手づくりの風合いいっぱいのチラシ。
もし、配られたりしたら、もったいなくて捨てれないな〜。


ネットやテレビで、情報は自然と手軽に入ってくるけど、
それらにはない物が、紙媒体にはあるように思います。

紙そのものだったり、紙の上にのったインクの色だったり。
接触れることのできる感触だったり。
瞬時に入ってくる情報もいいけど、こういう「捨てれない情報」も
便利なものが増えれば増える程、価値が増すのかななんて
思ったりします。